そして 2 年半の試行錯誤を経て1983年に臨床開発がスタートし、第 I 相〜第III相においてマグネビストの有効性と安全性が検証された。イオン性X線造影剤に比べ、非イオン性X線造影剤の安全性は 4 倍優れており、マグネビストはさらに非イオン性X線造影剤の 2 倍安全性が高いという結果が得られた。
学術文献のMRIの領域では80〜90%にマグネビストが使われていることからも、マグネビストは有用性、多様性に優れており、今後も造影MRIの発展に寄与すると思われる、という見解を述べた。
また、開発中の製剤についても触れ、現在同社では「血管内貯留型造影剤(Blood Pool Agent)として、血中でアルブミンと結合し高分子化する“MS-325”や、高分子化合物である“Gadomer”を開発中である。これらは、いずれもガドリニウム化合物であるが、高分子化により血管からの漏出を抑え、血中に長く滞在するよう設計されている。そのため、MRAなどへの応用が可能で、血管病変部の精度の高い診断に貢献することが期待されている」と結んだ。