JSRT 巻頭言 | Jpn. J. Radiol. Technol. 2003; 59(12) |
将来構想特別委員会答申をいただいて
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神澤良明 |
将来構想特別委員会は平成14年10月31日に「教育制度改革に伴う本学会の将来ビジョン」と題する答申を行った.その内容は学会雑誌第59巻第 1 号に全文が掲載されている.内容は多岐にわたっている.そして,理事会,各委員会に対し『勧告』・『要請』という形で取り組みを求めている. 私の担当する大会開催委員会にも「総会・秋季学術大会の方向性について」と題して『勧告』 3 点と『要請』 2 点をいただいている.総会・秋季学術大会の将来的な方向を示していただいたという点では大変ありがたい. その『勧告』 1 として学術大会での教育プログラムである.勧告の内容は「教育プログラムを大幅に拡張し,内容を充実させること」とある. 総会学術大会では演題数の増加,実行委員会企画の充実,開催日が 4 日から 3 日に短くなり,会場数の確保といった問題も抱えて時間枠を設けることは非常に難しい状態にある.教育プログラムに対しては分科会,学術委員会の積極的な支援もあり会場を確保し,早朝,夕方にと教育プログラムを充実させるよう実行委員会ならびに各方面の協力を得て努力したい. 『勧告』 2 として学術大会での展示発表についてである.勧告の内容は「展示発表を格下に見る会員の意識改革をすべき」とある. 会員の意識改革をどのような形で行っていくのか,どのような速度で行っていくのか大変難しい課題である.口述発表では10分の持ち時間が終わってしまえば発表は終わりとなってしまう,それに引き替え展示発表では発表内容を 2 日間は会場に展示される,その間十分に発表を見てもらえ,理解してもらえるという利点はある.会員のなかには展示発表では展示物を作らなければならない点,それに余計な出費となる点を訴える人もいるが,発表時間を気にしなくてもよく,発表内容をより時間をかけて見てもらえる展示発表に何か付加価値をつける必要があるのかもしれない. 『勧告』 3 として大会開催委員会と学術委員会の連携についてである.勧告の内容は「学術委員会が担うべき役割について議論し改善を図ること」とある. 理事一年生の小生としては,学術大会に学術委員会がどのようなかかわりを持ってきたのか十分理解できていないところである.しかし幸いにも大会開催委員会にはベテランの委員の方達が多くいらっしゃるので,意見を聞き,学術委員会とのかかわりを密にしてゆきたい. 次に『要請』であるが,これは秋季大会について求められている.第一に日本医学放射線学会との合同開催である.これは平成13年に名古屋で第29回秋季学術大会を合同で開催したことが最初である.以後両学会の合意事項ではあるがなかなかうまくいかない.これは本学会が 8 地方部会の持ち回りで開催しているのに対し,医学放射線学会は 6 ブロックで大会長を推薦していることにより,歯車がかみ合わないのが現状である.決して避けているわけではない.両会が合同で開催するとなれば会場の都合も考えなければならない.会場数も最低10会場は必要となってくる.開催地の選定,会期の調整等,医学放射線学会とも今後の課題として十分相談をして決めてゆきたい. 『要請』の第二は合同開催における参加費の統一である.本学会の秋季学術大会の参加費は現在 5 千円であり,医学放射線学会は 1 万円である.この統一を検討するよう要請されている. いずれにせよ合同開催することの意義,利点,支障についてもう一度十分議論をする必要がありそうである. 以上のように将来構想特別委員会より宿題をいただいている.理事会,委員会で十分検討し早急に結論を出す必要がある. いろいろ議論はあるが,学術大会を成功させるのは終局的には会員の発表であり,参加である.次回第60回総会学術大会は横浜市で平成16年 4 月 8 日〜10日の 3 日間開催される.多くの方の参加をお待ちしています.(理事) |