JSRT 巻頭言 | Jpn. J. Radiol. Technol. 2004; 60(3) |
JRC2004の御案内
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森 克彦 |
JRC2004は,テーマ「放射線医学:その標準化と個別化と」のもと,技術学会テーマを「放射線技術科学の更なる探究」として第60回総会学術大会の準備を進めてまいりました.会期を2004年 4 月 8 日から10日の 3 日間,会場をパシフィコ横浜会議センターおよび展示ホールにて開催する運びとなりました. JRC2004における合同企画として「ニュートリノ天体物理学の誕生」のテーマでノーベル賞受賞の東京大学名誉教授の小柴昌俊先生による特別講演,Dr. Hans Ringertz講演および開会式・会員懇親会,パネルディスカッション「放射線診療と法律相談:ヒヤリハットから医療訴訟まで」,一般市民を対象とした市民参加セミナー「前立腺癌の早期診断から治療まで」,CyberRad,閉会式を開催いたします. 心肺蘇生法(cardio pulmonary resuscitation:CPR)の実習を 4 月 9 日(金)の午前と午後の 2 回にわたり行いますが,心肺蘇生法は一次救命処置[basic life support(BLS)]の一つであり,心停止によって脳に血液が循環しなくなると脳組織は 4〜6 分で不可逆的な変化を来します.自発呼吸がなく,総頸動脈で脈拍が触知できない場合は,心停止と判断して迅速で適切な心肺蘇生法が施行されなければなりません.適応は心停止状態の患者であり,自己心拍が再開するまで脳と冠循環を維持する目的で行います.その後薬剤や器具を用いて高度な蘇生法を行う,二次救命処置[adovansed life support(ALS)]に移ることになります. メ心肺蘇生BLS/ACLS:医師・医療関係者が知らなければならない必須の基本技術モについて実際に心肺蘇生法の実技実習を行い,蘇生法の正しい知識を整理する目的で実施します.心肺蘇生の実習の参加者に,本コースでは「BLS(医師・医療関係者向け)」,「BLS+アドバンスコース(医師向け)」の二つのコースを用意しました.4 月 9 日の「BLS」は午前あるいは午後の 3 時間,「BLS+アドバンスコース」は午前・午後 3 時間ずつの計 6 時間を準備していますが,プログラムの関係上,日本医学放射線学会20名・日本放射線技術学会10名・日本画像医療システム工業会10名といたしました.JSRTでの講習者の選考につきましては,学会ホームページよりJRCホームページにリンクして一般公募する方式をとらせていただき,大会側で選考させていただきましたので御了解ください. 第60回総会学術大会企画として,特別講演 1 に「DNA分析技術の発展」(株)日立製作所・神原秀記先生,特別講演 2 に「IVR進化論21−医療環境の条件に触れて−」日本医学放射線学会会長・隈崎達夫先生,招待講演 1 に「放射線技術と具体的なリスクマネジメント」日本大学医学部法医学教室・押田茂寛先生,招待講演 2 に「ゲノムとBEM時代の医療」東京大学大学院医学系研究科内科学・永井良三先生,大会長講演「総会学術大会の変遷と将来展望」,パネルディスカッション「放射線技術部門の安全管理の現状と対策」,瀬木賞講演「Technical Application of Three-dimensional Visualization and Mesurement for Breast Cancer Using Multidetector-row CT Scanner」大阪大学医学部附属病院・山本修司,宿題報告「SPECT画像再構成と画像評価」広島県立保健福祉大学保健福祉学部・大西英雄,シンポジウム「学会の学術レベル向上のための提案とその問題点」・「高度先進技術を駆使した放射線治療への取り組み」・「フィルムレスの現状と将来」3 題および新企画として,基礎・応用・臨床技術の 5 講座を 3 日間にわたりモダリティ別に昼食時間帯に開催いたします.撮影法講座「患者さんに優しい撮影技術」をメインテーマに基礎技術講座「X線撮影の為の診断学,解剖学」,応用技術講座「基本的な撮影技術の考え方」,臨床技術講座「股関節と肩関節単純撮影の実際」,CT講座「CTにおける画像作成技術」をメインテーマに基礎技術講座「シングルスライスCTの立場から」,応用技術講座「画像作成技術がもたらす画像診断の進歩」,臨床技術講座「Perfusion CTによる脳血流量計測−形態描出から機能描出へ−」,MRI講座「MRIの基本−MRIのハードウェアからpulse sequence・画像コントラストを理解する−」をメインテーマに基礎技術講座「MR装置 Magnetic Resonance Imager(Apparatus)」,応用技術講座「装置からpulse sequence(From MR Imager to Pulse Sequence)」,臨床技術講座「Pulse sequenceから画像」,核医学講座「SPECT技術を検証する」をメインテーマに基礎技術講座「SPECTの原理と性能評価について」,応用技術講座「SPECTの応用」,臨床技術講座「SPECTの臨床応用」,放射線治療講座「強度変調放射線治療(IMRT)の実際」をメインテーマに基礎技術講座「日本におけるIMRTの実施状況について」,応用技術講座「最適化手法の原理と有効利用」,臨床技術講座「全ては患者さまのために!!」,教育講演 7 題,モーニングフレッシャーズ 8 題および標準化フォーラム,放射線管理フォーラム,医療安全対策フォーラムを企画しました.また,一般研究発表は,609演題が発表されます. 本大会テーマを「放射線技術科学の更なる探究」としましたのは,放射線技術科学の研鑽を行うことはもちろん,卒後教育として教育講演,モーニングフレッシャーズ,基礎・応用・臨床技術講座を設け,若き技術者・熟練技術者の基礎および最新技術のアップグレードの一翼となりますことに期待をよせるものであります. 第60回の節目の大会に大会長を指名いただきました川村義彦前学会長ならびに多くの御助言と御指導を賜りました藤田透学会長および日本医学放射線学会,日本放射線技術学会,日本画像医療システム工業会,日本ラジオロジー協会の関係各位に深甚なる敬意を表しますとともに会員各位の多数の参加をお願い申し上げまして御案内とさせていただきます. |