JSRT 巻頭言 | Jpn. J. Radiol. Technol. 2004; 60(9) |
第32回秋季学術大会のご案内
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花山正行 |
第32回秋季学術大会は,2004年10月21日(木)から23日(土)の 3 日間,グランキューブ大阪(大阪国際会議場)にて開催されます.大阪での開催は1986年,第14回大会以来18年ぶりとなります. 今回の学術大会にあたりましては,一般演題315題,日本画像医療システム工業会(JIRA)演題19題とたくさんの演題をお寄せいただき,会員の皆様,関係各位に対しまして深く感謝を申し上げます. 本大会のメインテーマは「未来医療と共に歩む放射線技術」とさせていただきました.未来医療とは,基礎研究での成果をいち早く臨床に応用していこうとする医療であります.その基礎の研究をわれわれの放射線技術にどのように取り入れ,連携していくか,これから求められる課題であると認識しております.プログラムのなかに大会テーマに沿って,特別講演,フォーラムなどの企画をさせていただきました. 学術特別講演は「先進医療から未来医療へ−トランスレーショナルリサーチの役割−」と題し,大阪大学医学部附属病院前院長の松田 暉先生にお願いいたしました. また,文化特別講演には「豊臣時代の大坂−城と町を語る−」と題し,大阪城天守閣館長 中村博司先生をお招きしております.豊臣時代,大阪は文化,経済,政治の中心でした.大阪城建設と城下町のなり立ち,他国との文化交流も行われ,河川を利用した交易も盛んで華やかな人々の営みがありました.そのような大阪という町の大阪城建設と町造り等について興味深いお話をしていただけるものと考えています. 大会・学術委員会合同企画である学術セミナでは「スーパーテクノロジスト認定制度」について,部門別の 6 人の演者でパネルディスカッションが行われます.先般,将来構想特別委員会から専門診療放射線技師認定制度(仮称)について勧告が出されました.これに基づき認定制度検討特別委員会が設置され,その活動の中間報告として放射線技師の専門性を認定する「スーパーテクノロジスト認定制度」について論議されます. 医療安全フォーラムでは「放射線治療の安全」と題して,討論されます.近々の報道にもみられますように放射線治療部門での医療過誤が大きな問題になっております.今後,このような事故をなくすための対策等が検討されるものと思います. 未来医療フォーラムでは「放射線技術におけるトランスレーショナルリサーチ」と題して,遺伝子治療,細胞治療,ロボットによる手術ロボテックス,レーザによる治療あるいは再生医療など新しい分野で基礎研究から臨床応用に“橋渡し”をしていく高度先進医療の紹介と放射線技術とのかかわりなどについて 6 人のパネラーの発表が行われます. その他,7 分科会主催の教育講演をはじめ各分科会において斬新な企画が成されています.また,限られた期間内での学会開催であり,時間を有効に利用していただくためにランチョンセミナーを 9 題企画いたしました. 最終日の公開シンポジウムは,文部科学省科学研究事業の助成を受け,本学会学術委員会・撮影分科会の協力のもとで「マンモグラフィによる乳がん検診普及に向けて−安心して乳がん検診をうけていただくために−」と題して一般市民公開講座を開きます.公開講座は基調講演とシンポジウム形式で行います.基調講演は「増加する乳がんと乳がん検診の効果」と題し,徳島大学医学部保健学科 森本忠興先生にお願いいたしました.また,シンポジウムでは患者様代表,医師,技師,行政関係者の 4 人のパネラーによってそれぞれの立場からの発表をお願いしております.また,22日(金)には隣接するリーガロイヤルホテルで会員懇親会を計画しております.懇親会ではアトラクションも計画しておりますので是非ご参加をいただきたいと存じます. 最後になりましたが,ご協力とご支援を賜りました日本ラジオロジ−協会(JRC),日本画像医療システム工業会(JIRA),日本放射線技術学会関係者の皆様に感謝を申し上げます.(第32回秋季学術大会大会長) |