JSRT 巻頭言 | Jpn. J. Radiol. Technol. 2004; 60(6) |
電子情報化社会のなかで
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小倉明夫 |
IT化とうたわれて久しいが,現社会ではインターネットを中心として,情報ネットワークが定着してきたように思われます.一般生活においても,通信の手段として電話や手紙に取って代わっただけでなく,飛行機のチケットの予約から食料品の購入まで,すべて自宅のパソコンから可能となりました.何か分からないことがあれば,すぐにインターネットで検索と……便利な世の中になったものであります. 特に医療現場のなかでは,われわれ放射線部門は画像を取り扱うことから画像情報ネットワークを中心に,その先駆けとなってIT化のイニシアティブをとってきたようです.デジタルイメージが中心となり電子カルテの普及とともに電子情報が病院の内外のネットワークを飛び交っているというのが現状であります.大容量のサーバがすべての情報をコントロールし,どの端末からも即時に多くの情報を得ることができる.正に夢のような現実が目前にあります. しかし,この電子化社会についていけない人たちも少なくありません.私もその一人ですが,何かアナログの世界にノスタルジックな哀愁を感じ,人とのふれ合いを大切にしたい……というのはたてまえで,本当は烈火のごとく変貌するデジタル社会についていけないだけかもしれません.だいたいコンピュータに関する用語が難解で,まるでMRIの撮像テクニックと同じぐらい意味不明な単語の羅列が,敬遠させる要因かもしれません.とはいえ,私も仕事柄,なんとかネットワークが使えるように,ネットワークに入り込んでいるつもりではいるのですが……. さて,日本放射線技術学会においても,少しずつではありますが,電子情報化を進めています.学会のホームページは1998年に立ち上げました.これは本学会学術調査研究班であった「放射線技術におけるインターネット活用研究班」の基盤の上に作られたものであります.班長であった津坂昌利先生には敬意を表します.今年は,そのホームページのサーバを事務局のある京都に移管を行いました.それに伴い,WEB用領域の拡充を行い,専門分科会,地方部会とのネットワークを含め,さらに会員の皆様に役立つようなホームページの作成を検討しています.またWEBデザインも前述の研究班から引き継ぎ,事務局でホームページを担当して頂いている井口さんの手によって改良が加えられてきましたが,今年からプロのデザインによるホームページにリニューアルします.是非一度,御覧ください.URLは以前のままです. 昨年より正会員,学生会員の入会申込はホ−ムペ−ジ上から行えるようになりました.また学会に関する新しいニュースやトピックス,また関連情報など,最も早く情報収集が可能なので,是非学会ホームページを御利用頂きたいと思います.今年からメールマガジンも開始予定であり,サーバの移管とともに,さらに会員の皆様の御要望に応えホームページの内容も充実させていく予定です. 会費納入も従来の郵便振込から,銀行引き落としの併用も始めました.詳細は,学会誌第59巻第12号の会告に掲載していますが,口座振替依頼書はホームページからプリントアウトして頂くか,第59巻第12号と今年度の会費振り込み用紙にも同封しています.今,お申込み頂きますと,来年度から利用可能となります.こちらの方も,一度登録して頂ければ,翌年からの手間が省けますので,是非御活用ください. 日本放射線技術学会もゆっくりですが,電子情報化社会のなかで歩んでいます.確かに便利ではありますが何か無機質的な電子情報のなかで,学会事務局の事務局員さんたちは,みんな人情味のあるハートフルな人たちばかりです.なかなか京都の事務局まで来られる機会はないかもしれませんが,春秋の学術大会のときには,いつも事務局のデスクが設置され,事務局員さんたちが座っておられますから,是非一度声をおかけください.最近忘れがちな,懐かしい感じのする暖かさがよみがえって来ますよ.(総務委員長) |